黒猫*溺愛シンドローム





「なっ…ひどっ。私はそこまでひどくない!って言うか、誤解を招くような言い方しないでよっ」



“一緒に寝た”とかっ。

第三者が聞いたら、絶対に勘違いするでしょう?



「えー?だって、本当のことじゃない?この前、浅海さんが家に泊まったとき……」


「あ…あれはっ、熱があったから、仕方なく…」


「熱があるとは思えない“蹴りっぷり”だったよ」


「……っ」



……そうだよ。


私ってば、熱があったとは言え、コイツの部屋に“泊まった”んだった。

…しかも、二晩も。


もちろん、何もなかったよ?

……そりゃ、少しだけ意識が朦朧としたせいか、キス…とか、その先もまぁ、ちょっとはあったけど。


でもっ、

コイツと黒いのと“川の字”で寝たのよっ!



「とにかく、俺は今日はキスしかしてないよ?」



ここに、ね。
なんて言いながら、私の唇にちょこんと触れる王子。

…っ。

かぁっとなったのは言うまでもない。

コイツ……



「それに、

昨日の今日で、他の場所にキスしたら……

自分と“間接キス”するみたいで気持ち悪いもん」