黒猫*溺愛シンドローム





「はあぁぁっ?」



さっきよりも、さらに大きく響き渡る私の声。


近所迷惑だろうがなんだろうが、気にしちゃいられない。



「なっ…アンタ、また寝込みを襲っ…」



信じらんないっ。

意識のない、無抵抗な人間にそんなこと…

しかも、初犯じゃないんだよ?再犯だよ?



「ま…まさか、このパジャマも??」



今気づいたけど。

私は未だにパジャマ姿で。

ボタンも外れちゃってるし、寝る前よりも、はるかにかなり乱れている。



「あー、そうそう。
さっきから思ってたんだけど、そのパジャマ、白くてもこもこで…
雪だるまみたいで可愛いよね。」



雪だるまぁ?

…ああ、ダメだ。
コイツの感覚は、普通の人とはズレてるんだった。



「でも、残念。それは俺じゃないよ?」


「へっ?」


「浅海さんが寝てる間に自分でやったんでしょ?寝相、悪いもんねぇ。」


「なっ…」


「この前、俺のベッドで一緒に寝たときもひどかったもんねぇ。……蹴られて死ぬかと思ったもん。」