黒猫*溺愛シンドローム





「……あのさ、」


なんとなく流されて、
食事を続けながらも……

突き刺さる“視線”のせいで、もうずっと落ち着かない。

“見つめる”っていうよりも“見守る”感じ?

きっと、猫にも同じようなことしてるんだろうなぁ。
猫も鬱陶しいだろうに。


……と。
そんなことよりも、確かめなきゃいけないことが!



「…アンタ、一体どうやってここに入ったわけ?」



なんとなく、予想は着くけど…。


「え?ああ…浅海さんのご両親に入れてもらったんだよ。」


当然のように言われてしまった。

……やっぱり?



「浅海さんのお家って、2人とも朝早いんだね。

余裕を持って7時前に来たのに、もう出かけるところだって言ってたから。」



アンタも十分早いわっ!

ツッコミたい気持ちを押さえつつ、重要なのはここじゃない。


「……余計なこと、言ってないよね?」


「へ?」


「うちの親に、変なこと言ってないよね?」



王子様だもの。
ご挨拶は完璧なはず。

でも……



「…ああ。大丈夫。

“結婚を前提におつき合いしてます”って、ちゃんと説明しておいたから。」