「……あ。おつかれさま」



ドアを開けた途端、にっこり笑顔を向けられて。



「今日は早かったね?」



さりげなくカバンを奪われ、中へと招き入れられた。

そして、



「ごめんね。俺のほうはまだ終わってなくて……
悪いけど、少し待っててくれるかな?」



申し訳なさそうに言いながら、私の肩を抱いて奥のソファーへと促す“王子様”。



「ハイ。どうぞ。」



そこにあるのは、
ふかふかのクッションと、見るからに温かそうなブランケット。



「今、飲み物も持ってきてくれるはずだから…」





……ここ、どこよ?


まるでサロンのようなおもてなしだけど……



「あ…浅海先輩っ、ど…どうぞっ」



緊張した面持ちで私にティーカップを差し出すのは、同じ制服を着た“後輩”で。



「……どうも。」



ここは、紛れもなく我が校の“生徒会室”だ。



「あ、眠かったら寝てていいからね?終わったら起こすから。」



柔らかい笑みを浮かべて、私の頭をひと撫でして。


この部屋の“主”は、自分の仕事に戻っていった。