黒猫*溺愛シンドローム




「これって、修ちゃん?
あ、こっちはくるみちゃんだ?」


「あー、そうそう。
なつかしいな。幼稚園のときのだよ。」



写真を見ながら、そのときの思い出話を聞く。


本当はさ、

こういうのは浅海さん本人と一緒にやるべきこと、なんだよね。


こう、アルバムを眺めながら、2人きりでまったりと…みたいな。


でも、明らかに無理。

そんな時間が来るのを待ってるよりも、さっさと知って、記憶を共有したい。


そうすれば、彼女のことをもっと深く知ることができるはずから……


そしたら、

もう寂しい思いをさせなくてすむ…よね?



「あれ?これは…誰?」



一枚の写真。


小学生のときの、かな?

浅海さんと、その隣に映る男の子。

少しだけ年上の……


修ちゃん、じゃないよなぁ。



「どれ?あー、嵐士くん?」



覗き込んできた修ちゃんの口から出た名前。


アラシくん?



「風歩の兄貴、だよ。」