黒猫*溺愛シンドローム




「もうっ、触らないでよっ」



甘い香りが漂う髪から、
柔らかい頬へと唇を移動させようとしたら…案の定。



「なんで、こういうことばっかりするの?やめて、って言ったでしょう?」



“可愛い”怒声と、射るような視線が飛んできた。



「私は今、勉強してるの。
あんたがいると、早く終わるどころか余計に時間がかかって仕方ない。邪魔するなら、出てってよ。」


彼女らしからぬ“優等生発言”に驚いて、一瞬動きを止めてしまったものの、



「……わかった。ごめんね?触るのは、終わってからにするよ。」



にっこり笑って彼女から離れて、俺は手元のプリントを拾い上げた。



「……そういう意味じゃないんだけど。」



隣で呆れたような声が聞こえたけど…まあ、いいや。


“お楽しみ”は、勉強が終わってからにしよう。