「ちょっと!」
またしても、俺の手を払い除けようと頑張って暴れてるけど……
「……気持ちいい。」
離すつもりはない。
サラサラで艶々の黒髪は、何度すくっても指の間から流れ落ちる。
それがすごく心地いい。
シャンプーして、濡れた髪をドライヤーで乾かすところから触ったら…もっと気持ちいいんだろうなぁ。
カリンみたいに、さ。
「ちょっ…何っ?」
指に絡めたひと束を引き寄せつつも、ゆっくり顔を近づけて。
「なっ……」
そこに、そっと唇を落とした。
「何するのっ?」
たちまちカァーッと赤くなって、俺を睨んでくる彼女。
それがまた、可愛いのなんのって。
「浅海さんって、本当に綺麗な毛並み…じゃなくて、髪してるよね。
何か、特別な手入れとかしてるの?」
他の女の子たちみたいに、染めたり巻いたりしてない分、ダメージとやらは少ないんだろうけど。
それでもやっぱり、綺麗すぎる。
「別に何も……って、ちょっと!」

