彼女は頭がいい。
成績は常にトップクラス。
たぶん、クラスで1番だと思う。
俺だってそれなりに頑張ってるつもりだけど、彼女には全然敵わない。
何せ、授業に出ないでコレだから。
かと言って、毎日予備校通いをしてるとかでもなくて。
一体、いつ・どこで・どうやって“勉強”というものをしているのか……
誰も知らない謎、なんだよねぇ。
でも……
「冬休みまでの1ヶ月間、毎日補修だなんて…この学校始まって以来のこと、らしいよ?」
そう。
いくら成績がよくたって、内申書には“出席日数”というものがある。
基準値をクリアしていなければ、当然進級はできない。
「確か、去年も同じ状況だったんだよね?」
「なんで知って……」
「それなのに、どうして懲りないのかなぁ?」
去年は、進級間際の2月…だったっけ?
今年は先生たちも考えて、それよりも早く手を打とうとしたみたいだけど。
「去年はことごとく逃げられたから…今年はちゃんと“監視”をつけたってわけだね。」
それが、俺だ。

