昔のあたしみたいだ。菜野香を失い、家族の絆も、何もかもを奪った犯人が捕まっていないと聞いたあの日。


あたしは生きる希望を見つけたんだ…。


「犯人に復讐すると…」


やっと…あたしに生きる希望が見えた瞬間だった。


その時に鏡に映ったあたしの顔は、憎悪に溢れた笑みを浮かべていた。


「…あんな顔…。恨みがある人間にしか出来ない」


あたしの気のせいか?それとも……。


「…考え過ぎだ。今日は疲れてるだけだ…」


そう自分に言い聞かせて、お風呂を上がった。