「…どうするよ…俺……」


呟いてみるがどうしようも無い。


このまま手を繋いで旅館に戻るわけにもいかないしな…。


あいつらに馬鹿にされるのは目に見えてる。


にしても枝の手…柔らけーな…。


「って…俺は何を考えてっ…」

「…灰……。人だかりが出来てる」

「あ?…って…何事だ?」

「行くぞ!!」

「言われなくても分かってる!!」


今度は枝に引っ張られるように人だかりに向かって歩いて行った。


こういう時、こいつは男みたいに頼もしく見えるんだよな…。