「今日は残業しなさい。そして明日には全員署の前集合!」


リーダーはそれだけ言ってルンルン♪と部屋を出て行った。


「……リーダー…人事だと思ってやがる……」


灰は仕事に手を付ける前から脱力している。それもそうだろう。目の前に広がるのは、たまりにたまった報告書の数々…。


「灰、お前の場合は自業自得だろーが!」


サボってやらずにいた灰が悪い。あたしなんかその日のうちに終わらしてんのに。


「うるせぇ!!暇なら手伝え!!」

「無理だな。せいぜい仕事に追われてうつになれ!!」

そんでもって灰抜きで温泉旅行を楽しんでやる。


「枝真先輩〜!終わったら手貸して欲しいです!」

「任せろ♪」

「てめぇ………」


静かに怒りの炎を燃やす灰をシカトして自分のデスクに戻り、仕事を始めた。