「犯人を目の前に大の大人が喧嘩騒動、逮捕報告も無しな上、勝手な突撃行動…。俺達への通用しない言い訳は考えてあるんだろうな………?」
冷たい…そして名前に入ってるだけあって凍った瞳の彼はギロリとあたし達を睨みつける。
凍海はまず灰に向かって歩き出した。
知らず知らずに灰も後ずさる。
「あははははっ…は……。凍海さん?嫌っ!!!来ないで下さい凍海様!!!い、嫌あぁぁぁ…」
―ドカッ
―シュウゥゥ〜…
頭から湯気が出てる……。心無しか、灰が女の子語になっていたような…。
そんな事を考えていると…。
「俺を前に考え事か…?余裕かましている場合か…?」
「ひぃっ!!!!!」
凍海が目の前に立っていた。
涙が出そう!!!
だ、誰か…………。
助けを求めてリーダーとミノに視線を向ける。
「…………♪」
口笛を吹きながら視線を外すリーダーに笑顔のミノ。
う、裏切り者!!!!ってか何故笑顔!!!?
「…………神様……」
「残念だな…俺は人間だ」
正々堂々と自分は人間だとか言っちまう人間と出会ったのは初めてだったなぁ…あはははは…………。
そしてあたしの意識はぶっ飛んだ。


