「…枝…お前なら打てる」
灰の一言で、自分の腕に確信を持てた。
大丈夫…出来る!!今だ!!!
―ダンッ…キンッ!!
銃声とほぼ同時に、振り下ろされたナイフが永山の手元から離れ、地面へと突き刺さる。
「な…んだ………?」
永山も同様、会場の人間達も騒ぎ出す。
会場が暗くなかったら銃は撃てなかった…。
照明が消えてた事に感謝する。
「…にしても……。これからどうするか…」
この混乱の中、警察隊が突入すれば永山がこの会場の人間達をどうするか分からない。
かと言って…今を逃せば、永山をみすみす逃がす事になる。
「…チッ…どうすれば…。灰、何か案は…………」
隣を向いて気付く。灰の姿が無い。
「………灰………?」
まさか…まさかだが……。


