「じゃーな菜野香、気をつけろよ」 「お姉ちゃんもね!また後で!」 分かれ道でまた会う約束をして、菜野香は中学校へ、あたしは高校へ向かった。 いつもと同じだった。朝、いつものように菜野香が起こしに来てくれて、二人でじゃれて、母さんに怒られて……。 一緒に登校して、仲良い家族だねって言われて…。この分かれ道で二人手を振って…。 この時…これが菜野香の最後の笑顔になるなんて…この時は思いもしなかった。