《灰努side》


「やっと…寝たか……」


泣きつかれてベッドに眠る枝の頭を優しく撫でる。



あの事件から5日が経った。あれから枝の精神状態は正常とは言えなかった。


何かに震えたり、幻聴が聞こえるのか、耳を塞ぐ。


痛々しいなんて言葉じゃ足りないくらい、傷だらけでボロボロだった。


飯もろくに食わない、見張ってないと自分を傷付けようとする。


少しも目を離せない。こいつを抱きしめてやる事しか…俺には出来ない。


少しでも不安が消えるように、抱きしめて眠る。


こいつの過去って…何なんだよ……。