《枝真side》


あの後、永山久人は逃げだし、生徒達は保護された。


永山の行方は分からず、特捜は捜索に明け暮れている。


あたしはというと…。事件解決まで休暇が言い渡された。


身も心もボロボロなのは、自分でも良く分かっていた。


あの男が言った通りだった事も。だから揺れた…。


あたしが、あいつと同じようにならないとは言い切れない。


復讐の為に…狂ってしまう事だって……。


「っ…違うっ…違っ!!!」

「枝!!」


耳を塞いで、頭をブンブンと振るあたしを、灰は抱きしめた。


灰は、あたしの護衛みたいなものだ。また、永山があたしを襲いに来ないように。