―バタンッ

二人で車に乗り込んだ。運転席に灰努、助手席にあたし。


シートベルト…シートベルトっと………。


―ブーンッ

「ふごっ!!」


急に発進したせいで顔面を前の棚にぶつけた。

いてぇ!!鼻いてぇ!!


「何してくれとんじゃ!!」

「あ?お前が鈍いからだろーが!!」


フンッと笑って車を運転する灰の腹部に勢い良く拳を食い込ませた。


「ぐはっ!?」


灰はゆっくりとあたしを睨みつける。


「どうした灰?真っ直ぐ運転しろよ」


笑いを堪えながらシートベルトを付ける。


ざまあみろ!!あたしは倍返しなんだよ!!

ふははははっ!!


それからお互いの攻防戦が始まったのは言うまでも無い。