あれから、退院してすぐに、仕事に復帰した。
…………が。


「…もう少し入院しとくんだった……」


張り切って現場に戻ってきた自分を酷く後悔する。


「いやぁ〜…。枝真先輩、良く似合ってますよ!」

「………………………」


笑顔で褒めてくるミノを無言で睨みつけた。


そう、凍海の優秀な分析能力により、仮面の君?と呼ばれる犯人の有力情報を手に入れたのだ。


それは、この仮面の君と、今回の仮面事件の繋がりが明確になった事と、この事件の関係者が皇華学園の人間である事が分かったからだ。


「…何であたしが……」


それで、潜入捜査する事になったのだけれど…。


「こんな格好をしなくちゃなんねぇーんだよ!!もっと他に、教師とかあったろ!?」

「いやー…。枝真に教師は無理…じゃなかった!!枝真なら、友達すぐに作れそうだし、犯人は生徒…っていう可能性もあるからね?」


リーダー…。今教師は無理とか言わなかったか!?

明らかに機嫌とってるし!!


「お前の童顔が役に立ったな!」


嫌味を込めて、灰はフンッと鼻で笑った。


「…てめぇ…………」

「…身長的にも、外見からしてお前が一番適役だ。安心しろ、歳が22歳だろうが俺が高校生のノウハウをその頭に叩き込んで…」

「遠慮させてもらう!!」


冗談じゃねぇよ!!ただでさえこの状況が規格外だってのに。


凍海にノウハウなんて教わりたくねぇ!!