「…恐らく、純粋に気に入られたのだろうな。その仮面の君とやらに」


おいおい凍海さんよ。仮にも仲間が犯人に気に入られたってのに冷静すぎやしませんかい?


まぁそれはいつもの事だから置いて置くとして…。気に入られたって…。一体どうして…。


「厄介なのに気に入られやがって…。部屋にまで入られてんじゃ相当本気だろうな」

「チッ…。人の部屋に土足で上がりやがって…。何が仮面の君だ。掃除してけ!!ってか、すぐに牢屋にぶち込んでやる」


メラメラと闘志を燃やすあたしを、皆は呆れた顔で見ていた。


「…怒る所はそこなのかよ…」

「…さすが枝真先輩…。無防備な上に天然なんて」

「言葉も出ないな」

「本人があれじゃぁーねぇ…。皆、枝真から目を離さないように!」


「はい!!」

「はい」

「うっす…」


あたしの知らない所で、秘密会議が行われていた事にあたしは気付かないのだった。