「チッ…仕方ねぇな…」


駆け足で階段を登り、部屋の鍵を開ける。


―ガチャガチャッ


「あ?」


鍵が開かねぇ…。確かに閉めたはずなんだが…。


―プルルルルルッ


「何だよこんな時に!!」


イライラしながら携帯のディスプレイを見ると、貝羅 灰努の文字。


―ピッ


「何用だ貴様!!!」

「電話出て第一声がそれかよ!!!」


人がこんなに忙しい時に…。灰からの電話というだけでイライラする。