放課後になった今でもまだあの事を、誰にも話せずにいる。




話した後が怖い



なんて言われるだろう




激しい雨が降り出し、傘も忘れてきてしまって、仕方なく走って帰ることにした。




今日は本当についてない




走っていた足を止める





「柚奈ちゃん!!」





この人には呼ばれたくない。



何をしにきたの?


どしゃ降りに雨が降っているのに





また苦しめにきたの?




「そんな顔しないでよぉ〜。」




段々と近づいてくる女




逃げることも出来ない





だって




後ろにも飯豊さんの連れらしき人が居るんだから




雨に濡れた寒さと





何をされるのか分からない恐ろしさに





体中が震えてきた。




飯豊の長く、細い腕が




私の方にふれた瞬間





金縛りにあったみたいに、動けなくなった。




「もう一度言うね?


津神亮くんに


近づくな」





悪魔だ




彼女は悪魔だ。




こうやって人を脅すのね?