ガシッ 助けてくれた男が私の腕を掴んでいた。 「ねぇ…君は喋れないの?」 コクン 私は深く頷いた。 「名前は?」 『橘鈴。あなたは?』 「え!?知らないの? まぁいいや。 俺は葛霧甫〈クズギリハジメ〉。」 私を助けてくれた男…葛霧甫は黒い髪に、金のメッシュをしていて青いカラコンをしている。 名前だけきくと葛霧甫は手を離してくれた。 またお辞儀をしてその場を後にした。