「まじか。ハルユメちょっと痩せたよね〜」 芸能界の話しは出来ればあんまりしたくない。 特にハルユメ、ゆめのん、と呼ばれる春井夢乃(ハルイ ユメノ)はあたしと歳が近い。 だからなんだろう、多分ライバル心みたいなものを抱いてしまう。 あたしは馬鹿のくせに負けず嫌いなんだ、昔から。 もちろん春井夢乃はあたしにライバル心なんか持つ訳ない。 それでもあたしにとってはライバルなんだ。 「桐矢(キリヤ)、ちょっと来て」 教室のドアの方からデッカイ声が聞こえて 片がビクッてする。