「あの子も東京で生まれたんですよ。見かけに寄らないでしょ」 「ヘヘへ、あの子キャップとったらきっととびっきり可愛いだろうな」 紗英さんは赤いネイルの指でグラスを丁寧に持つ。 お客のこういう仕草を見ちゃうのが癖。 「ん、タバコ切らしちゃった」 「買いに行きますか?」 「No.1なのに、自分で行くの?」 「新入りパシったら可哀相ですからね」 「貴方が店に来てタバコ切らしたら私、ちゃんと自分で買いに行くわ」 紗英さんは笑顔で言った。