「詩華(シイカ)さん、そろそろ酒やめないと」 「体に悪いって〜?優しいのね、王子様〜」 牧瀬詩華(マキセ シイカ)。 彼女は大企業の社長令嬢だ。 「怜さん、凛(リン)さんから指名入ってます」 「凛?」 悠斗(ユウト)が隣の椅子から小声で言う。 「今行く」 凛は、俺の幼なじみだ。 「詩華さん、俺ちょっと席はずします」 「うん、またね〜」 席を立って、凛の姿を探す。 何処にも見当たらない。 「居ねぇじゃん」