ほらね。【完】



やっと瞬の病室に着いた。
家を出てから、30分は過ぎていた。

看護師が扉を開ける。

「あのっ!お二人方が来ました!」

おじさんが前もって俺たちが来る事を教えていたのか、看護師はそう言った。

ベッドの近くにはおじさんと泣き崩れるおばさんが座っていた。
まだ瞬の顔は見えない。

「おじさん!瞬はまだ…っ」

「早くコッチへ来てやってくれっ!」

おじさんとおばさんが、そっとどく。
すると、円佳は下を向き、俺の服の裾をぎゅうっと強く握った。

「……」

俺は円佳の手を、上から強く、握った。

「瞬…っ」

俺と円佳は瞬のもとへ寄った。
すると、いつもと違う、無残な瞬の姿が目に映った。

包帯をぐるぐる身体ほとんどに巻いていて、そこから黒く赤い血が滲み出ていた。


「ぁ…しゅ…ん」

円佳の体が震える。
声も震える。

なぜだろう?
あれほど瞬に嫉妬していた俺まで、震えていた。