「…っ…っ」
やっとついた桜ケ丘病院。
車なんて使えないし、夜道だし、かなり時間がかかった。
「円佳っ、大丈夫か…っ!?」
「う、うん…。それより…っ瞬が…!」
円佳の瞳からは今にも涙があふれ出しそうだった。
俺は頷いて、円佳の手を握り、一緒に病院に入った。
「すみません…っ」
まだ息は乱れていて苦しい。
歩いていた看護師に俺は声をかける。
「はい?」
「あの…っ平井瞬は…っどこですか!?」
俺が看護師に聞く前に、円佳は乗り出して聞く。
「えっ?あ、あの…っ落ち着いてくださいっ」
看護師の腕を掴んで揺らす円佳。
きっと、こんなに必死になった円佳を見るのは最初で最後だと思った。
「瞬は…っ瞬は!?」
「えっ、平井瞬さん…ですかっ?」
看護師のあたふたさに、少しイラだった。
早く言えよ…っ
看護師は近くに居た看護師に聞く。
すると、違う看護師が、
「平井さんは306号室です!!コッチです!私が案内します!」
と、いそいで俺たちを手招きする。
「円佳っ!行くぞ!!」
円佳と走って、その看護師に着いて行く。

