「ときどきこんな風に記憶が途切れることがあるんだ」

「間違いない、『悪霊』の仕業だわ」

「──悪霊……?」

陵の顔が凍りつく。
『悪霊』って言ったって普通の人間にしてみたら、漫画やオカルトの世界としか思わない。
現実にいるハズなんてない……大半の人々がそう信じてるから。

「あなたの中に悪霊が住みついているのは間違いない。ただややこしいことに今のあなたではなくて、ある一定の条件で悪霊が目覚めるのよ」

でも、その条件が分からない。
ううん、よ〜く思い出すのよ!
さっき起こったことを……

そこに何か

何か

手がかりがあるハズ……





ハッ!!!!!





要は空を見上げた。

雲が風に乗って、今日は異様な早さで流れている。

「……分かったわ」

「!?」

「答は──『太陽』よ!!!」