その人は、ガバッと立ち上がり、あたしから真田くんを無理矢理はがし、
そのままあたしの腕を掴んでグイっと引き寄せる。
一瞬の事で頭が回らない…
わかる事は、あたしがその人の腕の中にいる…という事だけ。
「っちょっ、ちょっと!!」
力いっぱい押してみるけど、敵うわけもなく…
「じっとしてろ。」
あたしはその人の顔を見上げる。
黒髪のサイドをツーブロックにし、
トップは短め、前髪は目にかかる程の長さ。
その人は、キリっとした目であたしを見下ろして言った。
「俺の事、上目使いでみちゃってるけど…誘ってんの?」
「…は、はい?!」
「琴女…今日から俺の女になれ。」
「…はぁ?!?!」
何言ってんの、この人。
ガラガラっ!
「ほら、席につけ!!」
…先生だ♪助かった…
「こら!直江!!朝から何してんだ!
席につけ!!」
「ざまぁみろ♪」
真田くんは直江くんに舌を出して笑う。
「おさむ、残念でした♪」
上杉くんはあたしにパチっとウィンクをして言った。
「ッチ!」
直江くんは軽く舌打ちして、あたしを解放した。
「井上も早く席につけ!!」
「あ…はぁい」
あたしはそのまま教卓の真ん前の自分の席まで行き、ストンと座った。。
ドキドキ…ドキドキ…
ドキドキ…ドキドキ
あ…あれ?
なんか急に胸が苦しい…
フっと一瞬、彼の顔が頭を過ぎる。
え…なんで??
あたしはバッと振り返って、彼の顔を見た。
彼の顔を見た瞬間、
あたしの鼓動は一層跳ね上がった。
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※あなたは誰に恋をしましたか??
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