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シャワーを出ると、新品のロンTとスウェットが置いてあった。
いつ置いたんだろ・・・
なんて事よりも、このまま直江くんの部屋に戻るのがとても緊張していた。
「・・シャワーありがとう・・・」
そっと、ドアを開けて中に入る。
「あの・・あたしはこれで・・帰ります・・」
「バァカ。今、制服を乾燥機にかけてるから待ってろ」
「あぁ・・はい・・」
仕方なく、入り口付近にペタンと座る。
「コッチ来て座れ」
直江くんは自分の傍を指差して言った。
あたしが座ったのと同時に直江くんは話し出した。
「・・で。誰にやられた?近藤か?」
「・・・えっと・・急に雨降ってきたみたいで・・「ピンポイントでか?」
「・・あの・・花壇に水をやろうとして・・「屋上からグランドの花壇にか?」
「・・実は・・暑くて水浴びを・・「今日の最高気温12度だけど?」
直江君を前にすると上手い誤魔化しが思いつかない・・・。
「近藤にやられたんだな?」
コクン・・・あたしは頷いた。
「怪我はないか?」
コクン・・・
・・・ふわっっ・・・
その瞬間、あたしは直江くんに抱きしめられた。
「よかった・・・・」
直江くんの消え入りそうな声があたしの耳元で聞こえた。

