屋上ってこんなにも距離があったっけ?
いつもサボるためにしか行かない所に
こんなに必死になって向かうなんて・・
バンッッ!!
ドアを勢いよく開ける。
目の前に男物のブレザーを羽織った琴女が壁にもたれて座っていた。
「琴女・・?」
声を掛けても返事がない。
近づいて顔を覗き見る。
・・寝てる?
俺は、そっと琴女の前髪に触れる。
陽射しが暖かくなってきているとはいえ、半乾きでは風邪を引く。
・・にしても。
琴女の寝顔を見れるなんて・・・
睫毛なげぇな・・。
顔ちっちぇーし。
・・彼氏とより戻したって?
なに俺の許可なく勝手により戻してんだよ?
ってか、なんで俺焦ってんだよ・・・。
琴女は、学校の中だけの女・・・だろ?
俺は、寝ている琴女にそっとキスをした。
「琴女!!起きろ!!行くぞ!!」
俺は琴女を横抱きした。
「・・・ぅ・・ん・・?」
「起きたか??」
「な、直江くん?!どしてここ・・?」
「喋るな。また塞ぐぞ?」
「・・・・・・」
琴女は真っ赤な顔をして、落ちないように俺の首に腕をまわす。
その表情が、可愛かった。

