あたしは授業をサボってずっと屋上にいた。
制服もぐちゃぐちゃだし、携帯も水没だし・・。
サイテー。
「琴女ちゃん?!」
声の発する方をみると、上杉くんがいた。
「うえ・・す・・ぎくん・・」
あたしはうわぁぁあっと子供みたいに泣いた。
「どうしたの・・これ・・誰かにやられたの?
とにかく、これ着てな・・」
上杉くんはそう言ってブレザーを貸してくれた。
「オサムは?知ってるの?」
あたしは横に首を振る。
「誰にやられたの?」
「・・・・・・」
「まぁ、だいたいは予想つくけど・・
とりあえずオサム呼ぼう・・」
「・・やめて・・上杉くん」
「だって、オサムのせいで近藤にこんな事されたんだろ?!」
「・・いいの。あたし、直江くんの彼女のフリしてるだけだから・・」
上杉くんはフゥーーっとため息をついて言った。
「・・・知ってるよ。近藤対策ででしょ?」
「知ってたの?」
「うん、ごめんね。知らないフリして・・」
「それにあたし・・・昨日元彼とより戻したの・・だから、もう直江くんには・・」
上杉くんは、え?!っと驚いた顔をして、またため息をついた。
「なんか、ややこしくなってるね・・君たち。
まぁ、それとこれは別だから・・・オサムにはこのこと話してくるよ。
もう少しここで待っててくれる?」
上杉くんはそう言うと、屋上を出て行った。

