あなたは誰と恋をする?

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次の日。


直江くんは普段と変わらない。


昨日、圭太と居る所を近藤さんに見られて、それをチクられてるのに。


やっぱり、学校外は無関係・・だからかな。



あ・・・圭太のこと話した方がいいかな。

でも、学校外のことだし・・黙っていよう。

ってか、学校の中でも直江くんとはあまり一緒に居ないほうがいいよね。




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「琴女、飯行くぞ」


直江くんはいつも通り、あたしに言った。



「ご、ごめん・・今日直江くんのお弁当持ってなくて。
それに、今日は文系の友達と食べる約束したから・・」


「あっそ。」


直江くんはチラっとあたしを見た。

直江くんの目を見てしまうと嘘がばれてしまいそうで
直視できない。


「じゃ、じゃぁね」

あたしはパっと目をそらせて教室を出た。



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・・教室を出たのはいいけど・・


どこでお弁当食べよう・・。


屋上にでも行こうかな。



屋上に着き、一人でお弁当を広げる。


そこからは遠くに圭太の学校が見える。


前はよくお昼に屋上に行って、お互いの学校を見ながら携帯で電話してたよね。



そんな事を考えていたら携帯がバイブした。



---ブブブッブブブッ---


圭太だ!!




「もしもし?圭太?・・・・



ザバーーーーーッン!!



そう電話に出た瞬間、あたしの視界が自分の髪の毛で塞がった。



・・何これ・・


・・水?


あ・・携帯・・水没・・?




耳の中に入った水が流れ出るにつれ、音がハッキリ聞こえるようになってくる。




「ちょっと可愛くて頭いいからって調子に乗んないでくれる?」


聞き覚えのある声・・・近藤さんだ・・・




「あんたにオサムは渡さないんだから・・」





・・・何言ってんの?


あたしは、偽彼女なんだってば・・・





こんな事された事が初めてで、声も出ない・・・