クラス発表の紙が張り出されている掲示板に人だかりが出来ている。
「うわっ…凄い人…」
「始業式まで時間あるし、時間空けて見ようか…」
里菜がそう言ったと同時にその人だかりから低い声だけのどよめきが起きた。
「「「おぉぉぉぉぉぉ!!」」」
…なんだ?
掲示板の左側の男の集団が、一斉にあたしに視線を向けた。
「「井上琴女GET!!!」」
はぁ?!
なに、その《獲ったど〜!》的な言い方…
すると、去年同じクラスだった小竹くんがあたしに駆け寄った。
「井上さん!特進だったよ!!」
「あ…ホント?教えてくれてありがと…」
《ついでに里菜のも見てきて…》とか言おうかと思った時、小竹くんは続けて言った。
「今年の理系の女子、井上さん一人だけだったよ!」
「…へ?」
小竹くん…な、なんて言った?
「大変だろうけど、頑張ろうぜ!!」
「えぇぇぇぇぇぇ?!?!」