プラトニック・ラブ





ただでさえ格の違うあたしの家と櫻井グループの家。



どうやら一生関わることがないだろうと思っていたお母さんは、〝お手伝い〟とはいえ興味津々だ。


確かに一生関わることがないだろう雰囲気を、本物を間近で見れたんだから、そのことに感謝するべきなのかもしれない。


できるわけないけど。



あんな毒舌男がトップの企業なんて考えただけで日本の未来が危うい、なんて思う。



この際クビにされるなら、パーで叩くんじゃなくてグーで殴っておけば良かったとも思った。



でも実際痛かった。


すごく痛かった。



叩かれる人も痛いだろうけれど、叩くコッチ側も同じくらい痛かった。



もうきっとあたしが誰かを叩くことはないだろう。


そのくらい痛かった。