起きていることに気づいていたらしいお母さんはあたしに話しかけてきた。 瑠子と一緒にもう寝ていたと思っていたあたしは、お母さんが起きていたことに驚いてしまった。 いつもは瑠子より寝るのが早いんじゃないかと思うほどなのに。 「ねぇねぇ」 本当は言いたくなかった。 何だか妙に恥ずかしい感じがするからだ。 あたしはもう一度上向きになり、 「…櫻井グループのお手伝いさん」 小さな声で呟く。 小さく呟くように言ったけれど、お母さんにはしっかり聞こえていたみたいで。