あたしは宥めるように、
「高校生になったらねー」
なんて笑顔を振りまいた。
お母さんのあの表情は知らなかった、気づかなかったことにした。
みんなの笑顔を守るためにもあたしは働かなくちゃいけない。
なんて正義のヒーローっぽく自分に言い聞かせてみた。
「お母さんも頑張るよーっ!」
さっきまでのあの表情が嘘のように、お母さんは「おー!」なんて立ち上がり拳を天に突き上げる。
瑠子もお母さんの真似をして拳を上に上げる。
そんな2人を見つめ、
「あたしも頑張るーっ!!」
ノリで真似して拳を上に突き上げてみたりした。

