だから今。 「迅…」 そっと彼の名前を呼ぶ。 そうすれば、彼はあたしを見つめる。 だから言う。 あたしは言う。 彼に言葉を―――大切な言葉を。 「好きです」 そう頬を染めながら言えば、迅はあたしを見て穏やかに笑う。 そして言うのは愛の言葉。 好きと好きを繋ぐ〝愛言葉〟。 「好きだ」 そう言って。 抱きしめて。 だたそれだけで、あたしは安心できるのです。