ビックリして言葉が出てこない。 あたしはその指輪を見つめたまま暫し停止する。 指輪だ…。 本物…。 まさかそんな展開が訪れるとは思ってもいなかった。 「ははっ、瑠璃?」 「あ、わ、ボーっとしてた…」 驚いた。 まさか指輪なんて。 考えもしなかった。 だって。 だって。 この関係は偽者だとおもっていたから。 結婚という言葉があたし達の間に本当に存在すると思っていなかったから。 だから。 だからなのかな。