迅の声が聞こえたんだろう。
「あら?もしかして迅くん返ってきたの?」
「あ…うん」
間違った。
ここで切るべきだったんだ。
すっかりお母さんが酔っ払っていることを忘れていた。
それはあまりにも突然だった。
「迅くーんっ!!!瑠璃をよろしくねーっ!!!いくらでもあげるわーっ!!!」
「―――っ!!!」
耳元で叫ばれたのと同じくらいの攻撃力。
キーンっと遠くで音が聞こえる。
ビックリしたのと、いきなりのことに恥ずかしいと思ったあたしは、
「も、ももう切るからっ!!!」
そう叫んでは、慌てて受話器を戻した。

