「迅にだってね、不安はあるの」
「不安…」
不安だらけだったあたし。
迅も不安だらけ?
少し分かってはいるけれど、そのことに関して迅はなにも言わないから分からない。
調子に乗ったのか、海さんは饒舌になる。
「俺じゃジジイだから無理かなぁーとか言ってるのよ?」
くすくすと笑いを溢しながらそう言う。
あたしは瞬きを繰り返すことしかできない。
「…え?」
「やっぱり結婚なんて無理だーとか言って、あたしに婚姻届捨てさせようとするからさ、馬鹿じゃないのって怒鳴ってやったのよ」
「婚姻届…」
思い出すのはあの日。
4人でスイーツを食べに行った時に見てしまったあの現場。

