「はぁ…」
重く息を吐き出して、腕を付いて上半身を起こそうとしたときだった。
バタンっと物凄い轟音。
共に荒い足音で迅がやって来た。
あたしはその音にビックリして肩を跳ね上げ、入ってきた人物の顔を見つめる。
「じ…迅…」
迅は見たことのない少し不機嫌そうな表情をしたまま、あたしに近寄ってきては力強く抱きしめた。
久しぶりの感覚。
いや、今までにないかもしれない感覚。
苦しいくらい強く抱きしめられる。
あたしは小さく声を上げた。
「あ…あの…迅…」
突然のことすぎて訳が分からなくなっていた。
力強く抱きしめられる、この感覚は夢じゃないことを示すかのように苦しい。

