気づいた瞬間、無性に悔しくなってきた。
どうしてあたしはあんなにも考えていたんだろう。
乱暴に婚姻届を机の上に置き、窓を閉めようと手をかけたとき見つけた。
下。
あたしは視線を1階に向けたまま。
その姿を見つめる。
玄関から出てきたんであろう迅が車へと向かうために歩いている。
相変わらずビシッと着こなしたスーツが悔しいくらい似合っている。
迅…。
見つけた瞬間、あたしはその背中に大声で叫んでいた。
「迅はあたしをどうしたいのっ?!」
夢中になっていた。
今まで正面で向き合っていなかったことなんてこれっぽっちも考えていなかった。
とにかく腹がたってどうしようもなかった。
だから正直に聞きたいことを口にした。

