ほっといてくれればいいのに。


嘘。



来ないでよ。


嘘。



助けないで。


嘘。



あたしから行こうと思ってたのに。


嘘。


そんな勇気なんて本当はない。




全部嘘。




嘘嘘嘘嘘嘘。





「………っ」





心地良い揺れ。


安心する匂い。




迅の背中におぶられているあたし。




どうして…どうして。


だめだと思ってもだめだった。





あたしは静かに堪えきれなかった涙を流した。