―――――… ダルイ。 どうしようもないくらい体が重い。 息をするのも苦しい。 節々が痛い。 頭も痛い。 最悪だと思う。 風邪がかなりひどくなってしまったのかもしれない。 「……?」 不意に感じた心地良い揺れ。 あたしは重い瞼をゆっくりと持ち上げる。 同時に漂ってきたのは安心する、懐かしいとすら感じてしまう匂い。 やばいと思った。 だめだと思った。 ああ、もう…どうして…。