裏門から入ってきた―――迅。 なんだかものすごく久しぶりな感覚に陥る。 足が止まる。 時も止まる。 スーツをビシッと着こなしだ迅は、軽い足取りで校内へと向かってくる。 見つけてしまった途端目を離すことができなくなって、あたしはその場に立ち止まったまま。 ヤバイと。 ダメだと、心が叫ぶ。 マズイ。 涙が出てきそう。 眉を寄せ、グッと堪える。 会いたくて。 ただ会いたくて。 それだけのことなのに、そう想うだけで胸が苦しくなる。