「ちょ…生きてる?」


ちょんちょんと、遠慮がちにあたしを突きながら美沙は言う。


一方のあたしは屍のように机に突っ伏したままの状態で固まっている。



結局昨日迅は家に帰ってこなかった。


ずっと言葉を捜しながら待っていたけれど、出て行ったままの迅から連絡はなかった。



当たり前だといえば当たり前。


結果を作ったのはあたしなのだから。



しかし絶対帰ってくるとどこかで強く思っていたもんだから、帰ってこなかった衝撃はすごく大きかった。



「なんか顔色悪くない…?」



あたしの顔を覗き込みながら心配してくれる美沙に申し訳ない。



ほぼオールと言ってもいいくらい寝ていないもんだから、眠いし頭も痛いし最悪。


それに迅との出来事がプラスされているもんだから、あたしのテンションは現在進行形で急降下中だ。



「ちょっと寝不足…」



「ちょっとって感じじゃないような気もするんだけど…」



へらっと笑ってみるけれど、美沙は眉間にシワを寄せるだけ。



ここはいつもみたいに笑って馬鹿言ってはしゃげばいいのかもしれないけれど、どうも今現在のあたしにそんなことはできそうにない。


上手く笑うことができないくらいダルイ。