〝特別になりたい〟
こう思ってはいけないんだろうか?
叶うはずもない。
これは〝夢〟として終わるんだろうか?
一点を見つめたままボーっとしていたあたしに、佐藤さんは不思議そうな顔をしたまま訊いてきた。
「大丈夫か?」
あたしはその声によってハッと我に返り、
「ご、ごめんなさいっ」
そう即座に謝り、立ち上がった。
あたしは視線を上げられずに俯いたまま口を閉ざす。
誰かに会いたいと思った。
そう思ってたはずなのに、いざ人を前にすると何を求めていたのか分からなくなってしまった。
そんな俯くあたしの頭部にスッと伸びてきたのは、
「何シュンとしてんだぁ?」
〝お父さん〟の温もりを持っている佐藤さんの手のひら。

