「はぁ…」
あれほどにまであったスイーツの山はすっかりなくなっている。
こりない美沙は再び中央へと向かっていったばかりだ。
スゴイなぁっと関心する。
美沙にはこんな技があったのかと驚く。
あたしの皿にはチョコケーキが置かれている。
さっき美沙の皿に戻したはずなのに、気づけばまたこうして戻って来ていた。
食べなきゃなんないのか…。
周りを見渡し、ここは太りにくるような店だと改めて思った。
なのに美沙はなぜ細いのか、という疑問。
内臓脂肪なのか…? なんて。
「おい、皆川」
深谷はケーキを食べながら話しかけてきた。
「三山連れて、一旦外出てくれば?」
「一旦って…出て戻って来れるわけ?」
チョコケーキを食べようと思って持ったフォークを置き、深谷を見つめる。
深谷は今だケーキをパクパクと平らげながら、奥の方にあるらしい扉を指差して言った。

