こんなにウキウキな美沙を見るのは珍しいことだから、何が始まるのかとビクビクしていたけど、
「美沙が帰りに寄りたいトコがあんだってさ」
未だにちょっと怒ってる三山にそう言われて納得した。
美沙は楽しみなことがあるとこんな感じになる。
そのことを忘れていた。
カバン片手にウキウキ楽しそうな美沙。
どこに行くのか、何をするのかなどは一切訊かされていない。
変なところに連れて行かれないことは分かってるけど、こんなにもウキウキだと少し恐い。
「眉間にシワ寄ってんぞ、ボケ」
そう言うと、あたしの眉間を人差し指で押してきた。
あたしは驚いて目を見開く。
今までと変わらなく接してくれることが嬉しくて。
ただ単純に嬉しくて、ちょっと泣きそうになった。
だから、
「触んな!」
そう言って深谷の手を払った。
きっと分かってる。
あたしが〝ありがとう〟って言ってることを。

